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事務局長より~日日新(PROGRESS)~

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日日新Vol.R3-10
待ってるよH君
 H君が入院した。原因がよくわかっていない股関節の病気のためだ。

 白河学園に来て7年、優しくて繊細、少し(?)ビビり、そして妹思いの小学生。病気になったのは自分が悪い子だから、なんて思っていないだろうか。
 住み慣れた白河学園を離れて、別の施設と病院から学校に通うことになる。環境の変化やストレスに弱く、すぐに体調を崩していたので心配だ。ただ、今回は白河学園に在籍したままで、面会や帰省ができることになり安心もしている。

 2022年に予定されている児童福祉法の改正に向けて、社会的養護関係施設の役割・機能の検討がなされている。児童養護施設には、今以上に多様で質の高い支援が求められることになるのだろう。
 白河学園では可能な限り専門職を配置し、児童家庭支援センターも開設した。これにより、祈ることが多かった復帰後の家庭生活や自立後の一人暮らし、地域の子ども家庭の課題を積極的に支援することができるようになってきている。
 児童養護施設では子どもの生育過程を共有し、安定的な関係を築いていくことが特に大切だと思っている。H君の場合は施設が戻る、戻れる場所となって、職員の継続的な関わりが確保された。本人も職員も心から安心し喜んでいる。過去と未来の繋がりの中にある確かな今。それがかけがえのないものであるならば、環境が変わる時の二重措置の検討も必然なのだろう。
 子どもの養育環境に優先すべきものはあるのだろう。だけど、生活形態を超えた所にある繋がりを無視して子どもの養育がなされるべきではないと思う。きっと、脈絡のない刹那的な養育支援とは反対の方向に進んでいくのだろう。そうなることを願っている。その先に、施設や法人のあるべき姿が見えてくるのかもしれない。

 H君がいつも遊んでいた庭を見ている。休みが終わり誰もいなくなった庭。はにかみながらボールを投げてくる。受け取り、投げ返す。優しい陽射しに浮かんでくるのは、照れたように笑う色白の顔。
 少し時間はかかるけれど必ず良くなっていく。大好きだったこの庭で、一日も早く遊べるように空に祈った。澄んだ青空に、半分だけの月が静かに浮かんでいる。
 
法人事務局長 斑目 宏 
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