事務局長より~日日新(PROGRESS)~
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日日新Vol.R4-12
2023年が始まる
白銀に輝く那須の山並み、見渡す限りの冬田、朝の光にまばゆい南天の紅。さあ、2023年が始まる。さて、どんな毎日が待っているのだろう。
子ども達の多くが施設で新年を迎えた。6つの寮それぞれがおせちを用意し、楽しく、穏やかに過ごしている。そんな姿に愛おしさを抱きながら、私たちは一人でも多くの子どもが家庭で生活できることを願って止まない。ここで暮らす子ども達との生活が自らの使命であることに戸惑いながらも。
そんな願いを叶えるならば、入所という消極的な受け皿から脱却して積極的に地域支援に努めることも必要だろう。たとえばショートステイのように施設機能を活用することで家庭生活が維持できるならば、それは私たちの思うに適うことになる。地域に暮らす支援の必要な子ども家庭に児童養護施設の強化された機能を活用していくことは、施設養護の枠を超えた大きな枠組みの中で大切な役割となる。現在の施設機能は維持しつつ、入所児童を減らしていく、そんなことができれば理想であり目指すところかもしれない。
虐待はあってはならないし、施設入所もない方が良いのは確かだ。しかし、社会には施設を必要とする厳しい現実があるのも確かなことである。未来ある子どものためにその機能を充実させ、誇りと責任をもって社会的養育を行うのはこれも当然のことである。
改めて思う、社会福祉法人白河学園の使命は地域福祉のニーズに応えていくことである。そのために、実施する児童養護施設、障害児通所支援事業所、相談支援事業所、児童家庭支援センターの機能の充実は勿論、他法人や行政、地域資源と連携は重要である。2023年は地域にあって良かったと思ってもらえるように、更に一歩を踏み出すそんな年にしたいと思っている。
駆けゆく子ども達の白い息、はじける笑顔、夕日に染まる紅色の頬。ほら、2023年が動き出す。ごらん、希望にあふれた春はもうそこに・・・
小さき子は「ゴメンネ」、「イイヨ」でまた遊ぶいつに忘れし言の葉ならむ
法人事務局長 斑目 宏